ZAIX(ザイクス)でトラブル発生!金融庁からも警告を受ける海外FXブローカーの正体

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「ZAIX」というカナダを拠点とした海外FXブローカーにおいて、2023年6月6日より口座残高が突然マイナスまたは0になるという事象が起きたという情報がネット上を飛び交いました。ZAIXという海外FXブローカーなんて名前を聞いたことがない、という方も多いと思いますが、一部では詐欺会社だという噂があり危険だと言われていました。その結果としてトラブル発生となってしまうと「やはりな」という印象です。一部の海外FXブローカーでこのような事象があると、他の海外FX自体も怪しいという噂が飛び交ってしまい、業界全体が縮小しかねません。

そうでなくても2023年は大手海外FXブローカーとして名が知られていたGEMFOREXが5月にサービス停止に陥りました。世の中の契機にも左右されますが、全般的に海外FX業界はボーナスが縮小気味にあり、以前に比べると勢いがありません。そんな中で、ZAIXのような海外FXブローカーに出会わないためにはどのように予防策を張ればいいのでしょうか。

今回ZAIXとはどのようなFXブローカーなのか、そのトラブルの内容についても詳しく見ていきます。

ZAIXとはどんな会社?

ZAIXは、2019年にカナダのトロントに設立された海外FXブローカー。カナダの銀行、保険会社、証券会社、財務アドバイザーなどの集まる金融街に本店を設立しています。2021年からサービスをスタートしたようですが、最初からインスタグラムといったSNSでインフルエンサーを利用して、プロモーション活動を行っていました。そのようなインフルエンサーの投稿を悪用した形でのプロモーション詐欺だったのでしょうか。
公式サイトにおける2022年の情報は以下のようになっています。現在も稼働はしているようです。ところがこの本店所在地はどうやらでたらめの住所のようだということがすでに判明しています。

商号 株式会社ZAIX取引所(ZAIX Ltd.)
金融商品取引業者登録番号 M217802943号
本店所在地 165 Yonge StToronto, ON M5C 2L7, CA
会社設立 2019年10月
サービス開始 2021年7月
資本金 8,800,000ドル
加入協会 加金融庁特定金融情報室(FINTRAC)
事業内容 外国為替取引業

仮想通貨および暗号通貨取引業

主なサービス 口座開設サービス

入出金サービス

商品運用サービス

金融サービス規制 アメリカ財務省管轄(FinCEN)によって、国際送金、外国為替取引、通貨取引/送金(暗号通貨/仮想通貨を含む)、ICO発行、前払いの提供やトラベラーズチェックの発行など幅広い金融サービスの提供が承認

認可番号:31000237737875号

カナダ金融庁特定金融情報室認可は、FINTRAC (The Financial Transactions and Reports Analysis Centre、カナダ金融取引・報告分析センター)によって監督および発行

認可番号:M21780294号

※引用参照URL:https://zaix.com/company/

取扱商品

  • FX:60種類以上の通貨ペア
  • 商品CFD:貴金属、原油、天然ガスなど
  • 株価指数CFD:日本225種や米国N100種など
  • 仮想通貨CFD:ビットコインなど主要通貨

などが取扱商品だったようです。金融サービス規制とは金融ライセンスのことだと思われますが、一般的な海外FXブローカーの場合にはあまり見かけない、アメリカやカナダの認可のため、この時点でも怪しいにおいがプンプンします。

また、ZAIXの公式サイトは日本語版しかありません。その日本語も非常にこなれたものとなっており、日本人が関わっているとしか思えません。これからも確実に日本人トレーダーを対象とした投資詐欺をはたらこうとしたことが伺え知れます。

ZAIXが日本の金融庁から警告を受けた内容

ZAIXは以前より、日本の金融庁から警告を受けていました。にもかかわらず2023年に起こしたトラブルをみると、確信犯としか言いようのない詐欺行為を働いていることになります。

以下は金融庁の警告文の内容です。

無登録で金融商品取引業等を行う者について(株式会社ZAIX取引所(ZAIX Ltd.))

令和4年12月26日
関東財務局

無登録で金融商品取引業等を行う者について、金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針II-1-4(4)に基づき、本日、警告を行いましたので、下記のとおり公表いたします。

警告を行った無登録業者の業者名等概要
業者名等 株式会社ZAIX取引所(ZAIX Ltd.)
所在地又は住所 165 Yonge StTronto, ON M5C 2L7, CA
内容等 インターネットを通じて、店頭デリバティブ取引の勧誘を行っていたもの
備考 当該業者が提供するサービスの名称は「ZAIX、ZAIX取引所」である。

上記は、勧誘資料等に基づいて記載しており、「業者名等」「所在地又は住所」は虚偽の可能性があります。

ZAIXをめぐるトラブル

ZAIXとレーダーの証拠金が突如ゼロ又はマイナスになった背景には、コピートレードによる強制的なロスカットがあったといわれています。コピートレードは実績のあるプロトレーダーのトレードをコピーし、自分が行わなくても自分の取引として実行できるトレード形態のことを言いますが、2023年6月5日にそのコピートレードにて、多額の損失が発生したために、資金を失うトレーダーが大量に発生してしまったようです。

6月5日には、「ISM非製造業景気指数」という経済指標が発表されて、大きな為替変動があったようですが、それでも資金が底をつくほどのものではなかったと言われています。そのため、明らかに不自然な損失が発生したため、投資詐欺が疑われたわけです。

コピートレードのトレーダーが損失を出した原因の根底に、インフルエンサーのコピートレードPRがあると言われています。インフルエンサーが資金提供のプロモーション企画を行ったり、投資勧誘を行ったりしたために、顧客が増え、大きな損失に繋がったというものです。ZAIXがさらに悪質だったのが、元本保証を謳っていたことにあります。金融庁認可のない金融機関が元本保証を謳って投資家を集める行為は、出資法第2条により禁止されているため明らかな違反行為です。海外FXブローカー多くは金融庁認可を避けているのが現実ですが、その結果、グレーゾーンの中で顧客勧誘行為を行っており、その結果数億~数十億もの巨額損失が発生したとのことで悪質極まりないと憤慨しているトレーダーもまだ多くいるようです。

怪しい海外FXブローカーにつかまらないためには?

海外FXブローカーの中には、しっかりと運営実績を重ねているところもあれば、ぱっと出の歴史の浅いブローカーなどは、数年で名前を変えたりしながら運営しているようなものもあります。

そのような怪しい海外FXブローカーにつかまらないためには、

注意事項

・金融ライセンスの有無およびどこの金融ライセンスかの確認
・運用実績(運用年数)の確認
・ネットの口コミや評判
・プロモーション内容における自己判断(勉強が必要)

また、コピートレードに関しては他人のふんどしで相撲を取るわけですから、安全だと確証のないコピートレードに手を出してはいけません。海外FXで投資詐欺にひっかからないためには、自己防衛が必要です。安易な儲け話に乗らないように注意しましょう。